「躯体図」の記事一覧

建築の知識を高める意味

前回で一通り基礎の種類を説明し終わりました。

今まで説明を読んでくれた方ならよく分かると思いますが、基礎の種類は覚え切れないくらい膨大にある訳じゃありません。

というか、むしろ片手で数えることが出来るくらいの種類で、要するに少ない訳ですね。

だから、簡単に言ってしまえば「全部覚えましょう」ということです。

それぞれの基礎構造ごとに、その基礎が持っている特徴をきっちりと掴んでおけば、建築施工図を書く際の大きな助けになるはずです。

基礎伏図の概要を知っておくというのは、そういう事です。

基礎の種類-布基礎

前回は直接基礎のひとつである「べた基礎」の特徴を、簡単にではありますが説明してみました。

マットスラブ・耐圧盤・底盤と、様々な呼び方をされるべた基礎ですが、建築施工図としては割とシンプルになる。

ただし、地下に設備の為のピットを設けることが難しい為(不可能ではありません)割合としては独立基礎が多め。

そんな内容の話でした。

シンプルな「べた基礎」とは言っても、最下層のコンクリートから出る水をどうするかなど、考えることはそれなりにあります。

そのあたりの細かい話は後でするとして、今は大まかな考え方を一通り説明していきたいと思っています。

細かい話をその都度していくと、説明している私自身がどこまで説明しているのかを掴めなくなってきますから。

そうなると、読んでいる方も恐らくはよく分からなくなってくるはずなので、まずは浅く一通り説明を。

そしてその次は、それぞれの項目毎に深く潜って説明をしていく、というようなパターンが良いんじゃないかと思っています。

問題は、その説明が終わるのにどれくらいかかるのかと、収拾がつかなくなりはしないか、というあたりですね。

本を書いているのなら、とにかく思いついたことをどんどん書いていって、最後にそれらをまとめて削っていけば良いんですけど……

少しずつ書きためていくやり方で、最後まで分かりやすい形態になっているのか、ちょっと不安です。

まあそうなったら、一度全部記事を消して、まとめたものをもう一度更新していけば良いかな……

ちょっと話が逸れましたが、今回は直接基礎の最後の項目である「布基礎」について書いてみましょう。

基礎の種類-べた基礎

建築施工図を書く為に必要な知識として、前回は独立基礎の概要を取り上げてみました。

直接基礎の種類は幾つかありますが、その中でも独立基礎というのは、本当によく登場する種類の構造です。

「基礎」と言うと、特別な表記がない限り独立基礎を想像してしまう、というくらいの存在です。

少なくとも私の中では、ですけど。

それでも今まで経験してきた物件の数と、その中の独立基礎の数を考えると、標準的な基礎の形状じゃないかと思います。

基礎伏図を書く側から言わせてもらうと、独立基礎はなかなか手強い基礎の種類という感じになりますが……

絶対に避けて通れる構造ではありませんから、ここでしっかりと覚えてしまうことをお勧めします。

いくら難しい要素があったとしても、結局仕事で建築施工図を書くのならば、どの要素からも逃げることは出来ませんから。

さて、今回は独立基礎と正反対の考え方を持っている「べた基礎」を取り上げて見たいと思います。

基礎の種類-独立基礎

前回は建築施工図を書く為に必要な知識として、杭の種類について簡単に説明をしてみました。

躯体図の中で、杭伏図は現場で一番最初に必要とされる図面です。

作図の順番としては最初ではない場合もありますが、それでも建築施工図の中では序盤に必要な図面になります。

だから建築施工図の知識として覚える順番も、割と最初の方になるんじゃないかと思います。

覚えるべき項目としては、他の建築施工図に比べれば、それほど多いものではないはず。

どんな目的で杭が使われるのか、どんな種類の杭があるのか、そして躯体図として必要な情報は何か。

このあたりを押さえておけば、杭伏図を作図するのはそれほど難しいことではありません。

自分が作図する建物の杭がどんな仕様なのかを知っておき、それを杭伏図という成果品に表現する。

ただそれだけです。

もちろん、「それだけ」と言えるようになる為に必要となる知識は、出来るだけ分かりやすく説明をしていきます。

前回や今回の説明を読んで、しっかりと覚えてしまいましょう。

前回は杭基礎について説明をしたので、今回は杭のない基礎ということで「直接基礎」を取り上げてみます。

基礎の種類-杭基礎

前回は建築施工図の中で、杭と基礎の関係について説明をしました。

杭の天端レベルには基礎が施工される関係にあり、それは支持層のレベルによって変わってきます。

支持層が深いレベル、基礎のはるか下にある場合には、そこまで建物の荷重を伝達する手段として杭が必要になる、ということです。

でも、支持層が浅いレベルにある場合には、そもそも杭が必要ではないこともあります。

そうした地盤の状況によって、地下の構造は色々と変わってきます。

もちろん基礎の仕様を決めるのは構造設計者で、建築施工図を書く側は構造図に書かれた仕様で基礎伏図を書けばOKです。

でも、基礎にはどんな種類があるのかは、建築施工図の作図者として知っておいた方が良いはず。

ということで、今回は基礎の種類をいくつか紹介したいと思います。

基礎伏図に必要な情報

前回は建築施工図の中で、杭伏図を作図する為に必要な情報がどんなものか、という部分を取り上げました。

建築施工図に必要とされる情報を掴んでおくというのは、作図者にとって非常に大切なことです。

必要な情報を不足なく、そして誰が見ても分かるような内容で盛り込む。

そういう厳しい条件の中で躯体図を作図していくことが、建築施工図の作図者に求められます。

作図者として「どんな情報が必要なのか?」をしっかりと押さえておきましょう、と書いているのは、そういう理由があるから。

これが最初のステップですね。

と言うことで、今回は杭伏図の次に必要となる建築施工図「基礎伏図」に必要な情報について考えてみましょう。

杭伏図に必要な情報を考える

前回は、建築施工図の中で、躯体図と呼ばれる図面には色々な種類がある、というような話をしました。

そして実際に躯体図の分類として、どのような図面があるのかも一覧で紹介してみました。

思っていたよりも種類がなかったような気もしますが…

まあ忘れていたら後から追加で説明をすることにして、今回からはそれぞれの躯体図についてもう少し詳しく説明をしていきます。

順番としては、施工の順番に沿って説明していくのが楽なので、まずは杭伏図を取り上げてみましょう。

躯体図に記載する内容とか

型枠大工さんと鉄筋屋さんとで、躯体図から読み取りたい情報が微妙に違っている。

だから躯体図を作図する際には、どちらが見ても知りたい情報が得られるような図面にしなければならない。

前回はそんな感じの話をしました。

躯体図のスタートとしては、ごくごく基本的な話からスタートしようと思うと、この話が出てくる訳です。

じゃあ具体的にはどんな表現なの?

という手段の話はまだ全然出来ていませんが、順を追っていけばそのうち説明する機会はくると思います。

ということにして(逃げて)おいて、まずは基本事項をしっかりと覚えておいてください。

型枠大工さんはコンクリートの外面を、鉄筋屋さんは構造体の位置を躯体図に要求している、ということを。

具体的な方法についての知識は、あくまでもやり方でしかなくて、言ってしまえば枝葉なんです。

それよりも、どうしてそういう方法で躯体図を作図するのか、という根っこを押さえておく方が大事です。

作図手法として覚えておくのではなく、自分できちんと納得した知識として覚えておく、ということ。

お互いの職種で求める情報が違う、だからこういう手法で躯体図は数字を表現して作図していく。

これを自分の知識としてモノにする訳ですね。

躯体図に求められる情報とは

前回は躯体図を実際に現場で使う職種について、主に型枠大工さんと鉄筋屋さんが使う、という話をしました。

自分の作図した施工図を誰かが使う訳ですから、実際に使う人が喜ぶような図面となるように意識したいものです。

建築施工図を作図するプロであれば、躯体図とか仕上図など、完成した施工図を「商品」と呼ぶことができるはず。

相手の喜ばれる「商品」を造り出す為に、プロとして出来るだけのことはしておきたいところです。

まあ実際はそれにも限度があって、何でも要望通りという訳には絶対にいかないんですけど…

それでも基本的なスタンスはそうありたいと私は思ってます。

もちろんこれは私の個人的な意見であって、読んでいる方に同じ考えを強要したいとは全く思ってません。

ただ、そういう考え方もある、ということだけはお伝えしておきたいと思い、少々説教じみた内容の文章を書きました。

と、そんな話はさておき、今回は実際に建築施工図を使う人が欲しがる情報について説明していきます。

躯体図を使うのは誰か

コンクリートと並び、建物の構造体を構成する上で非常に重要な要素である「鉄筋」。

これがなぜコンクリートとセットで考えられるのか、というあたりの話を前回はしてみました。

RC造=「補強されたコンクリート造」であり、その補強というのはまさに鉄筋を使った補強のことを意味しています。

鉄筋はコンクリートとは違い、建物が完成した時には全て見えなくなってしまう存在。

だからあまり目立つことはありませんが、見えないからと言って役に立っていない訳ではありません。

人間の骨も同じですよね?

それが外から見えてしまうのは、何か重大な問題が起こっている時、という部分も似てますね。

人体の場合は骨折、それもかなり酷い症状、建物の場合は構造体の重大な損傷、ということです。

人体における骨と同じくらい重要な役割を果たしている、そう考えると、鉄筋がどのような存在か分かりやすいかも知れません。

一般的には「鉄筋コンクリート造」と呼ばれていることなどを見ても、鉄筋の重要性は充分に伝わったと思います。

それを踏まえて次の話に進む訳ですが、今回お伝えしたいのは、躯体図を実際に使う人は誰か、という点について。

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