会社側から考えると…

建築施工図を書くことを仕事にする為には、具体的にどんな流れでスキルを上げていけば良いのか。

あまり正解がなさそうな内容ではありますが、前回はそのあたりについて改めて考えてみました。

会社に入って教わるのがやはり王道であり、覚えるスピードが最も速い方法ではないかと思います。

ネットを使った独学が不可能とは言いませんが、時間がかかる上に難易度が非常に高いという欠点がある。

結論だけを書くとそんな感じの内容でしたが、もちろん会社に入って覚えることにも欠点はあります。

今回は会社に入って覚えることの欠点を書いておくことにします。



■教えてくれるけど

会社に入って建築施工図の仕事を教わろう、と考えているあなた。

…ではなくて、今回はそんなあなたを迎える側である会社の立場でものを考えてみることにします。

建築関連の知識が全く(あるいはほとんど)なく、オートキャド(AutoCAD)を多少使えるという人材が、今度会社に入ってくる。

会社の立場からすると、恐らくその程度の認識だと思います。

ではなぜ雇ったのかというと、教えれば戦力になるという判断があったから、ということです。

今現在では戦力に絶対にならない人材を採るというのは、先のことを考えてという理由しかありません。

これはどんな会社でも一緒ですから、そこで落ち込んでしまう必要は全然ありませんよ。

そうした理由から、会社はあなたに、建築施工図を書く為の知識をしっかりと教えてくれるはず。

教えないと採った意味がないですから。

この時点では、会社とあなたの利害関係は完全に一致しています。

あなたは建築施工図を書く為のスキルを磨きたいと思っていて、会社は建築施工図が書ける人を育てたいと思っている。

こうして利害関係が一致している間は、お互い良い関係でいられるはずですから、その間にどれだけ覚えられるかが重要になってきます。

■いつまで育てる?

会社はあなたを育てる為に採用し、あなたは建築施工図を書くスキルを身につける為に入社した。

そこまでは良くある話ですが、問題はそれがどこまで続くか、です。

そんな関係がずっと続けば最高なんですけど、実際にはそれほど長い時間続く訳ではないはずです。

会社は慈善事業で仕事をこなしている訳ではない、というのが非常に大事なところ。

会社は利益を上げなければならない集団ですから、いつまでも「戦力外のお客さん」でいる訳にはいきません。

あなたに建築施工図の書き方をある程度まで教えた後は、それに見合った働きをして欲しいと会社は思います。

経験が少ないから時間がかかることは仕方がないけれど、今まで教えてきた内容を仕事で実践して欲しい、というのが会社側の期待です。

その為に教えてきたから当たり前の話ですけど。

と言うことで…

会社とあなたの利害関係が一致している内に、ある程度のレベルまで建築施工図のスキルを身につける必要があるんです。

会社が期待することとか、なぜ未経験の人を採用したかを考えれば、そういう話になることを想像することは出来ますよね。

■会社の規模にもよる

あまり建築施工図の経験が多くない人材を採用し、育てながら戦力にしようと会社は考えます。

しかし、そんな「育てる」というスタンスがいつまでも続くかは、会社の都合によって変わってきます。

そして会社の規模によっても。

小さい会社ほど、じっくりと人を育てる余裕があまりない為、出来るだけ短い期間で戦力に成長することを望む。

そんな傾向にあると思います。

大きめの会社であれば、ある程度長い目で人を育てることが出来るかも知れません。

もちろんそれは単なる傾向でしかありません。

育てた人材が戦力にならないと困るのは、どんな規模の会社でも同じですから、求めることは一緒です。

大きめの会社に入ったからとりあえずは安心、なんて考えている人であれば、すぐにその考えは会社にも伝わります。

言わなくても全然大丈夫で、仕事への取り組み方を見て、会社はきちんとその辺を判断してくれます。

なぜそこまで判断するかというと、会社はあなたに色々と教えながら、しっかりとあなたのことを見ているから。

・教えたことに対する理解はどの程度か

・教わったことを素直に実行するか

・自分で疑問に思っているか

・この先仕事をやっていけそうか

これらの項目は人によって違うことを会社は分かっていて、あなたの場合はどうなのかを真剣に見ています。

真剣に。

優秀な人材は会社の宝であり、そうでない人材は会社にとって致命的な欠点にもなりかねません。

だから会社としても、新しく入ったあなたがどんな人材なのかを、しっかりと見る必要があるんです。

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