コンクリートを構成するもう一方の要素

さて…

前回は建物の骨組みであるコンクリートを造る為に必要な「型枠」について説明をしました。

そして、建築現場で型枠を造る為に、建築施工図である躯体図が果たす役割についても書きました。

どろどろの状態である生コンを流し込む型枠を、どんな形に造っていけば無駄がないのか。

仕上工事の時にコンクリートが飛び出さず、仕上材の中にきちんと納まっているか。

最終的な仕上げまで考慮したコンクリートの形を、躯体図はしっかりと表現している必要があるんですね。

躯体図を見ると最終的なコンクリートの形が分かり、その通りに型枠を造っていけば何の心配もいらない。

…というのが理想的な躯体図ということになると思います。

実際の仕事では、本当に様々な要素が複雑に絡み合いながら存在していて、理想的な躯体図はとても難しいですけど…

それでも建築施工図のプロとして図面を描くのなら、目指すべきレベルはそこにしかありません。

今回はそんな理想的な躯体図を目指す為に、型枠工事に並ぶ重要な工事について説明していきます。



■鉄筋とは何か?

まず最初に。

一般的な話として、鉄筋コンクリート造の建物についてもう少し詳しく考えてみましょう。

RC造って書くつもりが、ついつい「鉄筋コンクリート」って書いちゃいましたね。

ここで話が終わっちゃいそうですが、もう少し続けます。

鉄筋コンクリート造の建物を「RC造」と呼ぶ訳ですが、これは一体何の略なのかを調べてみると…

Reinforced-Concrete(補強されたコンクリート)

ということになります。

コンクリートを造る為の型枠については前回書いたので省略し、今回説明したいのは「補強された」という部分。

この部分が今回は非常に重要です。

建物を構成する骨組として、固まると強度が出るコンクリートを今まで紹介してきました。

でも、コンクリートは単品で使うにはちょっと足りなくて、何かで補強されないと構造体として成り立たないんです。

その「何か」って?というのが、RC造の骨組みの一翼を担うことになる「鉄筋」なんですね。

鉄筋の実物はこんな感じ。

鉄筋とはこんな感じ

上記の写真は、まだ注文した鉄筋が届いたばかりで束のままになっている状態ですね。

実際にはこの鉄筋を一本ずつ加工して使います。

鉄筋同士を一定の間隔で並べ、鉄筋の間にコンクリートの骨材が入るようにするんですね。

ちょっとイメージが伝わらない気がしたので、もう一度鉄筋を組んだ後の写真をのせてみます。

鉄筋の設置状況

これはまだ建物が完成する前の写真です。

鉄筋の最終的な居場所は「コンクリートの中」なので、工事中にしか鉄筋を見ることが出来ませんので…

上の写真では、型枠が既に出来あがっていて、梁の鉄筋を落とし込む作業が終わったところ。

そのくらいの状態ですね。

あとは床スラブの鉄筋を施工した後で、いよいよコンクリートを流し込むことになります。

そして最終的には鉄筋が見えなくなる訳で…そうなると鉄筋についての説明がキツイので、ここではその前段階の写真です。

鉄筋については何となくイメージ出来たでしょうか。

■それぞれの特徴は?

どうしてコンクリート単品では建物骨組みとして成り立たず、鉄筋による補強が必要なのでしょうか。

それはコンクリートの性質に大きく関係してきます。

コンクリートというのは圧縮強度が高いという長所がある一方で、引張りや曲げに対する強度はあまりありません。

また、大きな力を受けた際にはその形状を保つことが出来なくなり、一気に崩壊するという特徴もあります。

これがコンクリート単品では構造体として成り立たないという、非常に大きな理由なんです。

人がずっと住んだり仕事をしたりする建物の骨組みとして使うには、ちょっと致命的過ぎる欠点ですよね。

そんな性質をもつコンクリートの弱点を補う為に、鉄筋を用いることを考えたんです。

圧縮強度があまり強くないものの、引張りに対しては強い、というのが鉄という材料が持っている性質です。

また、大きな力が加えられた際にも、そう簡単には破断しないというねばり強さも持っています。

書いてみると、コンクリートが持っている弱点を補う性質をまさに鉄筋が持っている、ということが分かります。

お互いの弱点を補い合う性質をもった鉄筋とコンクリート。

それらの材料を組み合わせて使うことによって、巨大な建物の骨組みとなりうる強度が実現するんですね。

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